東日本大震災から15年目の節目に当たりまして、立ち上げメンバーの方々に当時の事について教えていただきました。
代表:亀井伸二さん、中沢しのぶさん、平田のりこさん、田崎冬樹さん

震災当時の社会的状況の中で、「サポサポプロジェクト」を立ち上げるきっかけは何だったのでしょうか?
亀井さん
当時は、「アートやデザインが東北に行ってワークショップをするなんて、とんでもない」という空気がありました。仮に行ったとしても、かえって現地の方の手を煩わせてしまうのではないか。津波によって飲み込まれた人々のトラウマや傷を広げてしまうのではないか――そんな声が多く聞こえてくる中で、自分が行っても結局何もできないなと感じていて。仕事もどんどん中断していく中で「アートやデザインに携わる僕たちにいったい何ができるのだろう」と、強い無力感に包まれていました。
そんな中、僕がよく通っていた代官山のサンドイッチ屋さんに石巻でボランティア活動をしているスタイリストさんがいて、ほぼ毎週のように現地へ行くため、自分たちで30万円を捻出し、炊き出しに向かっていると聞いたんです。そして、その店のマスターとおかみさんから「あんた芸大なんでしょ!?友達集めてなんかやりなさいよ!」みたいな感じで提案されて。その時、ちょうど新聞で「支援する人を支援する」っていう広告があったんです。それをおかみさんが持ってきて「こういう感じ!」って。ほんとうに結構大きなテーマを貰ったんです。

そこから、具体的にどのように形にしていったのですか?
亀井さん
まず、このプロジェクトを立ち上げた当初、今とは違う代官山の会場をお借りしていたのですが、会場がとても狭かったため、「この場所で何ができるだろうか」と考えました。限られたスペースでも展開できる形を模索した結果、ポストカードを中心にした販売がよいのではないかと。スペースの関係と、平面や立体などの異なるジャンルを網羅できるというか、いろんな仕事をしている人がいるので、皆の出せるものなんじゃないかと考えました。作家活動してる人もいるけどそうではないクライアントワークのデザイナーもいるのでポストカードを作って本当に売れるのか?そういう心配はまあ、ありました。
そうした状況の中で、Facebookでつながり始めていた同級生たちに声をかけました。ただ、最初の反応は正直なところ微妙でした。気持ちとしては賛同してくれている。でも「売れるものを作れるのかが難しい」という不安があったんです。さらに、それぞれが別々の場所で活動してきた人たちですから、「一緒にやる」ということ自体が簡単ではありませんでした。最初はほとんどリアクションがなくて、正直、どうなることかと思いましたが、締め切り間際に参加表明11人に増えて、最終的には16人が集まりました。
第一回目の開催はいかがでしたか?
第一回目にはポストカードや小品の作品の販売だけに関わらず、驚くほど沢山の方がが足を運んでくださったんです。本当に沢山買ってくださって、さらに寄付までしてくださいました。 「次は参加したい」と声をかけてくれる人も多く出てきて、こういう活動にニーズ、 意味があるんだなと思いました。

初回参加メンバーの皆さんの参加きっかけを教えてください
中沢さん
私は当時、亀井さんと同じ職場で働いていて、「こんなことを考えているんだけど」と声をかけてもらったのがきっかけでした。
ちょうどその年の夏に、東北で初めての個展を予定していたんです。3月10日にギャラリーのオーナーが上京してきて、打ち合わせをして、「また夏に」と別れた、その翌日が震災でした。2〜3週間経ってようやくオーナーと連絡が取れた時、「ギャラリーは電気も水道も止まっている。でも、アートには力があるから、何とか復興して個展をやりたい」と言ってくださったんです。さらに、「津波で桜の木がだめになって、今年は咲かないかもしれない。だから中沢さん、桜の絵を描いて送ってくれませんか」と。けれど当時は宅配便も止まっていて、送ることすらできるかわからない状況でした。
自分の絵が誰かの希望につながるかもしれないと思う一方で、心は揺れ、涙が出てきて、まったく筆が進まない。そんな状態でした。それでも、「少しでも自分にできることがあるなら」と思えたことが、参加のきっかけだったと思います。
平田さん
私は亀井さんと(中沢)しのぶさんの 同級生の方と職場が一緒で声をかけてもったのがきっかけです。
参加したときにはすでに「サポサポproject」という名前とロゴができていて、「サポートする人たちをサポートする」という後方支援の考え方に強く共感しました。それなら、私にもできることがあるかもしれないと思ったんです。
当時は、多くの人が一生懸命支援活動していました。一方で、真意は分かりませんが、どこか“偽善”のように見えてしまう活動もあり、無理に現地へ行くことで、かえって負担をかけてしまうのではないかという迷いもありました。
そんな中、東京にいながら現地の支援活動を支援することができるという 亀井さんのFacebookでの募集の投稿をみて「これなら参加したい」と思いました。自分も何かしたいけど、どこに寄付をすればいいのかも分からないし、現地に行くことが本当に正しいのかも迷っていた。そんな気持ちに、ひとつの答えをもらえたように感じました。
田崎さん
私は亀井さんの同期(高岡佳苗さん)が職場でご一緒で声をかけていただきました。当時は未曾有の事態に 自分もクリエイティブ な意欲がなくなっていた時でしたが気負わずにオリジナルポストカードから支援の輪を広げていく、ということに参加を決めさせていただきました。
インタビューが盛り沢山になってしまいましたため、次号へ続きます
サポサポスタッフ
